輸血検査
輸血とは
血液中の成分(赤血球、血小板、血液凝固因子など)が、少なくなったり、 働きが悪くなった時に、その成分を補うことを目的とする治療法を輸血療法といいます。
輸血療法は他人(献血ドナーさん)の血液から作られたもの(血液製剤といいます)を入れることから、感染症やアレルギー反応など一定のリスクを伴います。ですので、輸血療法を行う際にはリスクを上回る効果が期待されるかどうかを臨床医が十分に考慮し判断します。
当検査室では 輸血を行う前に必要な検査を行い、安全に輸血ができるか確認した上で血液製剤を患者さんのもとへ届けています。
また、血液製剤の適正な管理と保管に努めています。
具体的には、血液型検査・交差適合試験・不規則抗体検査です。
血液型検査
血液型検査は、輸血検査において最も重要な検査です。
一般的に知られている血液型にはABO血液型とRh式血液型があります。
ABO血液型にはA型・B型・O型・AB型があり、それぞれもっている抗原(標識)と抗体(攻撃する成分)によって区別されています。
それぞれの特徴はこのような形になっています。

Rh式血液型は例えばAプラスと呼ばれる血液型の「プラス」の部分を指しています。
この血液型はRhDという抗原がある(プラス)かない(マイナス)かで区別されます。
日本人の99.5%はプラスとなっています。

これらの検査は仮に間違えてしまうと違った血液製剤を患者さんに輸血してしまうという重大な医療過誤になりかねないため、輸血前の検査として最も重要な検査の一つです。
交差適合試験
赤血球製剤を輸血する前に
赤血球製剤と患者さんの血液が適合するかをみる検査です。
患者さんの血漿(液体成分)と赤血球製剤のセグメント(血液製剤に付随している短いチューブ)を用いて検査します。
検査所要時間は20~30分です。
不規則抗体検査
赤血球にはABO血液型やRh式血液型の他にもたくさんの血液型が存在します。
それらの血液型に対する抗体を不規則抗体といいます。
不規則抗体は輸血された血液によるものや妊娠によって産生することがある体の一般的な免疫反応のひとつです。
これらの抗体は、輸血された赤血球製剤の中に、抗体が反応する抗原があると赤血球製剤を攻撃して赤血球を壊したり、副作用(発熱や黄疸)が起こることがあります。
そのため、事前に患者さんが不規則抗体をもっているかを確認し、赤血球製剤を安全に輸血できるか確認する検査です。
もし、不規則抗体が見つかった場合はどのような抗体をもっているか検査をします。
当検査室では不規則抗体の種類がわかったら、患者さんに「不規則抗体情報カード」を作成し、お渡ししています。
このカードを患者さんに携帯してもらうことで、当院以外で急に輸血が必要となった時に、速やかに情報提供ができ、安全に輸血を実施できるような仕組みをとっています。
検査所要時間は20~30分ですが、状況によって長く検査にかかる場合もあります。
血液製剤の管理
血液製剤にはいくつか種類があります。
日本国内では日本赤十字社血液センターで、献血者から採血された血液を原料に作られた血液製剤を使っています。
それぞれの血液製剤は厳密な保管条件と有効期限が決められていて、それに見合った設備・環境で24時間管理する必要があります。
当検査室では温度管理された冷蔵庫・冷凍庫で血液製剤の管理を行っています。
輸血部門の活動
輸血部門には認定輸血検査技師が1名在籍しており、専門的な知識と技術をもった検査技師が検査と輸血製剤の管理を行っています。
院内での輸血に関する情報提供や臨床からの問い合わせにも適宜対応しています。
また、学会や講習会への参加や発表など、学術活動にも積極的に行っています。
