微生物検査
微生物検査
ウイルス核酸検査(PCR)、感染症迅速抗原検査、血液培養検査、グラム染色を院内で実施しております。
細菌により感染を受けた臨床検体(喀痰や各分泌物など)から、原因となる細菌を検出し、その菌に対する抗菌薬(抗生剤)の効果を調べる細菌検査(培養同定・薬剤感受性検査)については検査センターへ委託しております。また、院内感染対策チーム(ICT)や抗菌薬適正使用支援チーム(AST)の一員としても活動しています。
ウイルス核酸検査(PCR=polymerase chain reaction)
当検査室では、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)、B型肝炎ウイルス(HBV)、サイトメガロウイルス(CMV)の核酸検査をリアルタイムPCRで検査を行っております。
PCR検査は、各ウイルス特有の核酸(DNA/RNA)を抽出して、特殊な処理で核酸を増幅させることにより、検体内に存在する微量な核酸を検出します。HBV-PCR検査は、定量(DNA量測定)を行うことにより、病態把握だけではなく感染者または既往感染者において、免疫異常や悪性腫瘍に対しての免疫抑制・化学療法などを行った際にHBVが再増殖する「HBV再活性化」を監視することが可能です。 CMVは、保育園や幼稚園などで集団生活を始める乳幼児期にほとんどの人が感染するといわれておりますが多くは症状の現れない不顕性感染です。しかし、ウイルスは残り続け(潜伏感染)移植後の免疫抑制剤や癌治療などで免疫が低下すると再活性化しCMV感染症を発症することがあります。HBV-PCR同様に「再活性化」を監視することにより早期の治療が可能となります。

感染症迅速抗原検査
簡易キットを用いてコロナウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、ロタウイルス、便中アデノウイルス、ノロウイルス、マイコプラズマ、A群溶連菌、尿中肺炎球菌莢膜抗原の検査を行っております。また、産生する毒素によって偽膜性腸炎を起こすクロストリディオイデス・ディフィシルという細菌の抗原と毒素の検査も行っております。
簡易キットは、イムノクロマト法(IC法)とういう原理を用いています。IC法とは、セルロース膜上(濾紙のようなもの)を検体がゆっくり流れていく間に目的の抗原と膜に染み込ませてある抗体が反応し、その反応物をライン上で捕まえることにより線を出現させます。
検査開始から結果判定まで5分~15分程度と非常に短い時間で結果報告が可能ですが本来陽性なのに陰性(偽陰性)判定となることや、陰性なのに陽性(偽陽性)判定となることがあるので注意が必要です。

血液培養検査
血液内に細菌が侵入・増殖することにより、生命にかかわる重篤な事態を引き起こす敗血症は、非常に緊急性の高いことから院内での培養を実施しています。
敗血症が疑われ、専用容器に採取された血液を専用の機械で培養することにより血液中にわずかに存在する細菌を増殖させ検出します。最終的な原因菌の確定(同定検査)や抗菌薬に対する効果(薬剤感受性検査)については検査センターへ委託していますが結果報告まで日数を要することから院内では増殖した細菌を顕微鏡下で確認し、医師へ直接報告しています。第一報として報告することにより、抗菌薬の選択など迅速な敗血症治療につなげています。
