社会医療法人北楡会 札幌北楡病院

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血液検査

血液の働き

血液は体重の約8%を占めており、健康な方ではこのうち35~50%程度は血球成分(赤血球・白血球・血小板)、残りの部分は血漿とよばれる液体成分で血液を固めるのに必要な凝固因子などが存在します。
赤血球は血球成分の中で最も多く存在し、全身に酸素を運ぶ役割をしており、白血球は最も少なく、細菌などの異物捕獲や抗体産生など体を守る働きをしています。血小板は血球成分中では最小で止血作用があり、血管が傷付いた際に損傷部位に付着して血栓を作ります。

全血球計算値(血算:CBC)

血算は紫色のキャップの採血管で採取し、初診時のみではなく術前検査や健康診断などでも行われる検査です。赤血球数、白血球数、血小板数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値、赤血球指数(MCV・MCH・MCHC)を測定しています。

〇 赤血球数・白血球数・血小板数

赤血球・白血球・血小板は体内で重要な働きをしており、不足すると倦怠感、息切れ、免疫力低下、出血傾向など様々な問題が生じます。反対に多過ぎる場合は、血液が濃くドロドロのため血流障害が起きることや、白血病など血液の病気が潜んでいる可能性があります。

〇 ヘモグロビン(Hb)・ヘマトクリット値(Ht)

ヘモグロビン(血色素)は赤血球内に存在し、鉄とタンパク質が結合した構造をしています。酸素が豊富な肺では酸素と結合、不足している組織では酸素を離すことで全身に酸素を供給します。また、二酸化炭素の一部も運搬しています。
ヘマトクリット値は全血液に対する赤血球層の割合のことです。ヘモグロビンやヘマトクリット値は貧血や多血症の診断に必要な検査です。

[生まれる前後でヘモグロビンが変わる?]
胎児期と出生後のヘモグロビンは構造が異なり、出生後に入れ替わってしまいます。胎児期のヘモグロビンは酸素との結びつきが強く、母体から効率的に酸素を受け取れるようになっていますが、生まれて肺呼吸できるようになると役目を終えて置換されます。

〇 赤血球指数(MCV・MCH・MCHC)

MCVは赤血球容積、MCHは赤血球内のヘモグロビン量、MCHCは赤血球内のヘモグロビン濃度のことで、主に貧血の原因推測に活用されます。

[不足する成分によって赤血球の大きさが変化する?]
MCVが低値(=小さい赤血球)の代表的な貧血は鉄欠乏性貧血が挙げられ、鉄が体内で欠乏するため赤血球の中身も少なくなり、小さな赤血球になります。
MCVが高値(=大きな赤血球)の代表的な貧血はビタミンB12や葉酸欠乏性貧血で、吸収障害や摂取量の低下などが原因で起こります。ビタミンB12と葉酸は赤血球の赤ちゃん(赤芽球)のDNAを作るために必要で、不足すると細胞内で成長の足並みが揃わなくなるため結果として大きな赤血球になってしまいます。
貧血の原因は数多く存在します。こちらで紹介したのはごく一部ですので、ぜひ医療機関でご相談ください。

白血球分類(血液像)

白血球を好中球・リンパ球・単球・好酸球・好塩基球の5種類に分類する検査です。
機械で分類する方法と、臨床検査技師が顕微鏡で観察して分類する方法があります。技師が行うのは医師から依頼があった場合と機械法で異変を検知した場合で、機械よりも詳細な分類をしています。

検査科HP[血液検査].jpg

凝固検査

体内では血液を固めて止血する凝固作用、凝固塊(血栓)を溶かす線溶作用がバランスを取り合っています。凝固・線溶には数多くの成分が関わっており、一部が欠乏や過剰に働いてしまうと出血傾向や血栓傾向などになってしまいます。当院検査室内で測定している項目を紹介します。

○ PT・APTT

凝固反応には2つの経路があり、PTとAPTTはそれぞれの経路で、どのくらいの時間で凝固するか測定する検査です。2種類の検査を組み合わせることで凝固反応のどの部分に問題がありそうか推測できます。また、血栓を予防する薬の効き具合の判定にも用いられます。

○ フィブリノーゲン

凝固反応の最終段階に必要な成分で、血栓を作る中心的な役割を担っています。肝臓で作られるため肝機能の指標にもなります。

○ アンチトロンビン

凝固反応に必要な一部の成分を阻害して凝固反応を抑制します。血栓症などでは消費されるため低値になります。

○ FDP・Dダイマー

線溶反応の産物で、FDPはフィブリノーゲンと血栓、Dダイマーは血栓が分解された時に産生されます。FDPとDダイマーの比率から凝固反応と線溶反応のバランスを推測できます。

骨髄検査(マルク)

〇 骨髄とは

骨髄は骨の内部に存在しており、血球成分を作る工場の役割をしています。加齢とともに減り、成人では主に体幹の骨に骨髄が存在します。髄液とよく間違えられますが、骨髄液は血液とほぼ同様の見た目で、存在する箇所や役割も髄液とは異なります。(ご興味がある方は一般検査も是非ご覧ください)

〇 検査の目的

骨髄には通常の血液では存在しない若い血球が存在し、血球の成長過程を観察できます。その様子を観察することで、血球が適切な量・質で作られているかを確認します。
具体的には、血球の増加・減少の原因精査、白血病の診断・治療効果の判定、悪性リンパ腫などの悪性腫瘍の骨髄浸潤の検索、不明熱の精査などに用いられます。

検査科HP(血液検査-骨髄-画像).jpg

〇 どんな検査?

うつ伏せや横向きになり、専用の針を腸骨(腰の骨)に刺して骨髄液や組織を採取します。検査時間は10~20分程度、検査後に止血するための安静時間が15~60分必要です。

血液部門の活動

血液内科の検体が多いため、通常の血液では認められない所見に遭遇する機会が他施設に比べて圧倒的に多いです。担当者のみではなく、日当直者にも高い技術が求められます。技師同士はもちろん、血液内科医ともディスカッションすることで研鑽を積んでいます。