社会医療法人北楡会 札幌北楡病院

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腎代替療法

腎代替療法(RRT)

日本の慢性腎臓病患者は1300万人以上といわれており、また201912月時点で日本には344,640人もの透析患者がいます。

慢性腎臓病の進行を抑えるために食事療法、生活習慣改善、薬物治療など様々な集学的治療が行われますが、中には進行を抑えられず、移植や血液透析・腹膜透析などの腎代替療法が必要となる患者様もおります。

腎代替療法には移植と透析治療があり、さらに移植には献腎移植と生体腎移植、透析には施設血液透析と在宅血液透析、また腹膜透析がありますが、日本においては先進諸外国と比べても、腎代替療法選択の割合が施設血液透析に偏っており、移植や在宅血液透析、腹膜透析の割合が非常に低くなっております。

2019年度における日本透析医学会からの報告によれば、日本国内で腹膜透析の普及率は2.9%の低値となっていますし、日本移植学会からの報告によれば、日本の献腎移植平均待機日数は16.3年の長期に及んでいます。また日本全体の高齢化に伴い透析患者の高齢化もすすみ、実際日本において65歳以上の透析患者は全体の68.6%を占めており、高齢腎不全患者の腎代替療法選択は大きな問題となっています。

このように日本において腎代替療法選択が施設血液透析に非常に偏っている理由は、腹膜透析や移植が血液透析に比べ劣っているとかリスクが高いというのではなく、おそらくは医療従事者と患者及びその家族双方の移植、腹膜透析含めた広く平等な腎代替療法に関するに理解・認知度の低さによるもの考えられます。当院では施設血液透析のみならず、腎移植や腹膜透析、在宅血液透析に関する情報提供を広く行う腎代替療法説明外来を実施しております。

しかし、透析や移植が必要と言われたとき、大きな不安を持ちながら、医療情報を理解して、自分ひとりで治療法を決定することは、決して容易なことではありません。当院の療法説明外来は、医学的情報のみならず、患者さんやご家族が、どのような不安があるのか、人生において何を楽しみ、何を大切にしているのか、そしてどのような人生観をもち、どう過ごしていきたいのか、患者さん一人一人の生活環境や習慣、好み、思いを、医師をはじめとした医療スタッフと共有し、病気や治療法に関しても十分に理解した上で、その方が最も納得される最善の治療法を選んでいくSDM (shared decision making;共同意思決定)の手法で取り組んでおります。

さらに当院では、施設血液透析、在宅血液透析、腹膜透析、腎移植のすべての腎代替療法を十分なレベルで提供できる北海道では数少ない施設であります。

どのような治療でも、治療に前向きに取り組むためには、患者さん自身が納得して治療を始めることがとても大切です。その患者さんに最も適していると考えられる治療法を、ともに考え、ともに相談し、ともに決定し、そして十分なレベルで安心して当たり前に提供できるよう、医師、看護師、すべての医療スタッフが一丸となって取り組んでおります。